[秋田長持唄] 全国大会

            蝶よ花よと 育てたむすめ 今日は他人の手にわたす
 さあさお立ちだ  お名残りおしや  今度来る時や 孫つれて
  
 故郷恋しと  思うな娘  故郷当座の  仮の宿
かわいい娘を嫁がす親心を、流れるようなメロディにのせて唄うこの唄が大好きで、
何度も聞いてるうちに、自分でも歌ってみたいと思うようになった。
ところが唄い始めてみると、なんとも難しい。
まず声が出ない、声がでても間がとれない、間が取れても節がまわらない
一箇所唄えるようになったと思ったら、その奥の唄い方が要求され、
唄えば唄うほど難しくなっていく。
自分に合った唄が他にあるんじゃないか、
あの唄も唄いたい、この唄も唄ってみたいと
いろいろと気の迷いが出てくる。
この唄は私には無理、もうやめよう、もうやめようと思いながら四年たってしまった。
ところが不思議なもので四年唄っていると、
いつの間にか自分にとってはかけがえのない「持ち唄」になっていた。
「秋田長持唄」をずっと勉強し続けようと、最近になってやっと心が決まった。
民謡は心のふるさと と言われるように、
唄それぞれにその土地の匂いがあり、味がある。
その土地で生まれ育った人でなければ出せない味もある。
本場秋田で、本物の味に触れてみたいという思いが日に日に強くなっていった。
「秋田長持唄」発祥の地といわれる、秋田市雄和で全国大会があるのを知り、
思い切って行ってみることにした。
夕食の支度を早々と済ませ、京都から「寝台特急 日本海」に乗り込んだ。
                       
 おりしも大型台風が鹿児島に上陸、こちらもどしゃぶりの雨。
途中で列車が止まったらどうしよう・・
秋田に着いても、台風で大会が中止になったらどうしよう・・
不安がいっぱいと、慣れない夜行列車で眠れない。
一時間ごとに目がさめる。
いつの間にかウトウトしたようで、ふと気がつくと外が少し明るい。
急いでカーテンを開けてみると、何と朝日が差し込んでるではないか。
やった~!、神様が味方してくれた~!
早朝5時半、秋田駅に到着。 雄和行のバスの時間まで3時間もある。
コインロッカーに荷物をあずけて、千秋公園に行ってみることにした。
                       
                       
 大手門の堀の周辺を早朝ウォーキングしてる人や、
ラジオ体操をしてる人、人出は思ったより多い。
久保田城の表門の前のベンチで、持ってきたパンと缶コーヒーで朝食をすます。
                       
秋田駅から40分もバスにゆられてとうとうやって来た「雄和」に。
                       
会場の「雄和市民センター」は思ったより狭く、ゴザが敷いてある。
まだ開演まで1時間もあるというのに、会場はもう埋まっているが、
なぜか最前列だけあいてる。
私は迷わず一番前の真ん中に座った。
                       
うまい! 誰もかれも勘所の節まわしがいい!
熱のこもった唄が続く中、会場ののりの良さにもびっくり、
うまいうまいうまい! ようようよう! やあやあやあ! 拍手といっしょに声がかかる。
関西で行われるコンクールでは見かけない光景だった。
それだけ、自分の町の唄という意識が強いのだろうか。
                       
「秋田長持唄」をたっぷり堪能して、また「日本海」でとんぼ返りでしたが、
本物にふれた感動と充実感で、苦しい登山を制覇した時のように
晴れ晴れと心が満たされた旅でした。
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[秋田長持唄] 全国大会 への12件のフィードバック

  1. 愛月 より:

    うまいうまいうまい! ようようよう! やあやあやあ!
    会場の声援がいつまでも聞こえそうです。のりの良い掛け声は、わくわくしますよね。
    苦しい登山を成し得たコスモスさんのお心が「秋田長持唄」に繁栄されているのでしょうね。
    「持ち唄」と心に決め、生涯お勉強をなさろうとするコスモスさんがとっても素敵です!
    ますます素敵なお声が出ますように・・・♪

  2. コスモス より:

    まるちゃん、おはよう~!
    コンクールということで、出場者からは緊張の様子が伝わってきましたが、
    観客の方はお祭りのような雰囲気がありました。
    ほんとに上手に唄う人には、まだ途中なのにドッと拍手が起こり、
    同時にうまい、うまい、うまい、うまい、うまい、うまいと声があがるんです。
    「最後まで聞かせて~」って私は心で思ってました。
    本場で本物に出会うことがどんなに大事なことか、今回つくづく感じました。
    思い切って行って、ほんとに良かったと思ってます。
     

  3. のら より:

    コスモスさん こんばんは
    しばらくご無沙汰していましてご心配をおかけしました。
    すこしずつ体調が戻ってきましたので、ブログを再開できるようになりました。
    またゆっくりとお訪ねしますね。
    とりあえずはお知らせまで。

  4. meiya より:

    コスモスさん お早う~~~\(^o^)/
     
    凄い!秋田まで日帰りですか?
    コスモスさんの 唄に掛ける情熱が伝わってきますね~。
    民謡というのは やはりその地に脈々と息づいている歴史と深い関係が
    あるのでしょ~。其処ならではの 歌いまわしなんかもあるのでしょうね。
    こちらでも 下津井節というのがありますが
    よく歌われている下津井節と 本来のとは 大分違うようです。
    ・・・・と 民謡をやっている友人からの 聞きかじりですぅ。^^;
     
    一度 コスモスさんの三味線と唄が 聴きたいなぁ。^m^

  5. コスモス より:

    のらさん、
    よくなられたんですね、ほんとによかった!
    どうかご無理されませんように、
    また時々は生駒の山を越えて、奈良の写真を写しに来てくださいね。

  6. コスモス より:

    meiyaさん、こんにちは~!
    よくやるでしょう? 自分でも少々あきれてます。
    0泊3日で行ってきました。 でも帰りの列車ではぐっすり寝ましたよ。
    本場でその土地の人の唄を聞くことは、とっても大きな意義があります。
    そうそう、民謡って一般に唄われてる唄い方と、元々の唄い方と違うんですよ、その辺のところも勉強したかったんです。
    下津井節、とっても好きな唄です。そっか~、私が唄ってる下津井節も本当は違う唄い方なんでしょうね~。

  7. こも より:

    驚きました~!!!
    普段から足を使って行動的な健康的な生き方にひたすら感嘆していましたが・・
    日帰りで、お1人で秋田に!
    好きなことにはとんでもないエネルギーが出るとは聴いていますが!
    やはりその地に行っての民謡は得る物が沢山有ったのでしょうね  w(0^__^0)w
     
     

  8. コスモス より:

    こもさん、こんにちは~!
    そうですね、好きなことをする時は少々大変なことでも平気です。
    返ってそれが楽しくさえあります。
    今回がまさにそうです、ずーとワクワクのし通しでした。
    初めての一人旅でしたが、やみつきになりそうですよ。

  9. KEN16 より:

     ご無沙汰しておりますが、コスモスさんお元気そう?で何よりです
    秋田長持ち唄?お目出度い長持ち唄を昔田舎の結婚式ではよくききましたねーえ!
    何時もの山歩きの元気なコスモスさんに、更にバイタリティーのお姿を想像してます。
    やれるとき、行けるとき何でも頑張ってください。UPのフォトがピンと張って見えます。
    また寄らせてください

  10. のら より:

     おはよう コスモスさん。
    4年唄ってたら、どんな難しい歌も自分のものになるんですね。石の上にも3年B組金八先生といいますもんね。(ん?)
     
    秋田長持唄の歌詞で「今度来るときや孫連れて 故郷当座の仮の宿」のところに日本の昔が偲ばれます。
    女の子は嫁に出すために育てて、一旦嫁いだら孫が生まれるくらいのことがないと実家に帰れない。
    そんなに大昔のことでない、多分ごく最近まで続いていたしきたりだと思います。
    そういう顔で笑って心で泣いてる親娘の情を唄い込むこの歌が単に透き通った声で朗々と唄われる他の民謡と
    少し違ったものであるような気がします。
     
    夜行列車は、そうですね窓の外が気になってなかなか寝付けません。
    真夜中のどこか寂しげな駅に停車した車窓の景色も旅情をかき立ててくれますもんね。
    思い立って行ってきてよかったじゃないですか。 歌も旅もね。
    いつかコスモスさんの秋田長持唄を聞きたいものです。

  11. コスモス より:

    KENさん、こんにちは~!
    そうそう、昔々ほんとに小さかった頃、「お嫁さんだあ~」っておせんべいをもらいに走ってました。
    どこかのあっつぁん(?)が、今から思うと長持唄だったのでしょうね、うなるように朗々と唄ってましたね。
    なんにも意味はわからなかったけど、厳粛なその場の雰囲気によく合ってて、しんみりと聞いていました。
    若桜を中心に唄われてた、 「私ゃ行きます双親さまよ、長のお世話になりました」というのがあるそうです。
    「嫁入り唄」というそうですが、子どもの頃に聞いたのはこの唄だったのかも知れないですね。
     
    写真から私の意気込みを感じ取っていただけたようで、とってもうれしいです。

  12. コスモス より:

    のらさん、こんにちは~!
    いよ!でました、のらさんの名トーク(迷?)
    お元気になられた証拠と、うれしく思いました。
     
    さすがのらさん、そうなんですよ、単にうまく唄いこなすだけでは済まないのが、この唄の難しさなんです。
    「育てた娘」の む・す・め の三文字に、産まれてから今まで育ててきた娘をいとおしく想う親心を込めて、
    間やこぶしや、声の大小で唄い表すんです。難しいはずですね。
    たった一日の秋田でしたが、私にとっては大きな財産になりました。 

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